ご挨拶

執行部就任のご挨拶

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春秋会は何を求めようとしているのか

幹事長 丹羽雅雄(00期)

あらゆる組織・団体の設立には、それを生み出す歴史的、社会的背景があります。春秋会もまた、1958年、大阪弁護士会をめぐる時代状況の中から生まれ設立されました。過去の設立経緯や時代背景を読み解くことは比較的容易です。しかし、組織・団体をとりまく現状や課題を冷静かつ客観的に認識し、未来に向けて「何を求めようとするか」を志向することは困難を伴います。とりわけ、設立当初の結集軸となった価値観が、時代の変容を受けて、多様かつ複合的になるにつれ、未来に向けた組織・団体の結集軸をいかに定立するかは、難しい課題となります。

春秋会という弁護士集団の会派組織もまた、未来に向けて「何を求めようとするか」「何を結集軸とするのか」という困難な課題に直面していると思われます。日弁連、大阪弁護士会の政策形成のためか、人事充足のためか、弁護士どうしの安心して集える居場所作りのためか、弁護士のためのセーフティネットのためか、弁護士会・弁護士の役割を考え続けるためか。おそらく、これらを含む多様かつ複合的な目的や趣旨が考えられると思います。私は、これらの課題も含意しつつ、とりわけ「弁護士にとってのアイデンティティとは何か」について思いをめぐらせています。人権・法の支配・司法運営の一翼などの公共性、専門性、自由と独立性、在野性、緊張を維持した公的機関との協働性、人権・非営利団体性と営利・職能団体性など、いずれのアイデンティティを基礎付けるキーワードも複合的、総合的に理解しなければならないと思っています。

私は、2012年度の春秋会幹事長として、常任幹事の皆様、幹事の皆様、そして、すべての春秋会の皆様とともに、「春秋会は未来に向けて何を求めようとしているのか」の課題についても、共に志向して行きたいと考えています。

どうぞ宜しくお願いします。