『共謀罪論争からみえるもの』に参加して

1 はじめに

平成29年9月7日,春秋会政策委員会の企画「共謀罪論争からみえるもの-弁護士会の意思形成のあり方を考える-」が大阪弁護士会館において開催されました。前半の基調講演では,共謀罪の立法過程において,反対・賛成それぞれの立場で関与された伊賀興一先生と木村圭二郎先生を講師としてお迎えし,共謀罪に関する議論を振りかえりました。その上で,後半では,濵田雄久副幹事長にもご参加いただき,共謀罪に関する議論を題材に弁護士会の意思形成のあり方について,林邦彦先生の司会進行でディスカッションが行われました。
当日は,他会派から参加される先生もおられ,若手からベテランまで36名の方が参加されました。本企画が盛況になったことからも,「共謀罪」や「弁護士会の意思形成」といったテーマが関心の高いものであることが伺えます。

2 基調講演について

私のように感受性が豊かですと(単に優柔不断ともいいます),「刑法理論を根本から変化させる」「監視社会になる」と言われれば共謀罪に反対し,「オリンピックに向けてテロ対策が必要である」「一般人は対象とならない」と言われれば共謀罪があった方がいいよねとなります。本企画での伊賀先生と木村先生の講演は,豊富な資料に基づき緻密な立論がなされており,テロを含む組織犯罪対策としてのTOC条約における位置づけや刑事司法に対する影響その他の様々な争点について,大変わかりやすく(その上,面白く)解説がなされました。そして,具体的資料を示して,それぞれの立場の意見を組み立てていく両先生の姿勢を拝見し,弁護士による議論のあり方を改めて学ぶことができました。
テロ等準備罪という名前の共謀罪は,国会において成立するに至りました。本企画を通じて私が共謀罪に対してどのような印象を抱くに至ったかについては控えますが,両先生の講演から学んだことを踏まえて,共謀罪の今後の運用を見守っていきたいと思います。

3 パネルディスカッションについて

後半のパネルディスカッションでは,濵田先生から弁護士会の意思形成がどのようにしてなされているかについて簡単な説明がなされた上で,木村先生からそのあり方について問題提起がなされました。議論の方法・手続・その期間や意見表明の方法(特に少数意見の取り扱い)について意見交換がなされました。そして,意見表明を差し控えるべき分野があるのではないか,弁護士会が強制加入団体であることをどう考えるのかについても言及がなされ,熱い議論となりました。その盛り上がり様は,議論を収束させるのは不可能と思わせるほどでしたが,最後は林先生と濵田先生の絶妙なかけ合いの下でなんとか議論がまとまりました。最後の質疑応答でも,会場からいろんな観点からの質問や意見が出され,大変興味深く感じました。
弁護士一年目,今は日々の業務をこなすことで精一杯ですが,今後,弁護士会の会員として,弁護士会での議論に,どのような立場で,どのように見聞きし,どのように考え,どのように関わって行動していくのかを考える良いきっかけとなりました。

以上

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