副会長だより (10月号)
みなさん、いよいよ今年も師走に入ってきましたね。
弁護士業界はやはり年末に向けて和解のまとまりそうな案件が慌ただしく、なぜか年末にかけて増える刑事事件に負われ、忘年会にも出ないとならず、しかし年内にためずに処理して依頼者に報告すべき起案が山のようにあり、という何とも忙しい季節ですね。
弁護士会も10月の人権大会を始めとして、様々な活動がめまぐるしく展開される10月、11月になっています。
そのため、とてもを出す暇も、ゆとりもなく、10月のお話が、今頃になってしまいましたが、一人でも読んでくれる方がいるようなので、がんばって書いてみました。

1 今月の弁護士会の主な動き
○ 10/5 有料老人ホーム協会セミナー 相談ブース出展 相談が9件
東弁から紹介されて、初めてのコラボで、大阪セミナーに遺言相続センターとひまわりが一緒に相談員を出しました。ご自分で施設を選びたいシニアの人がたくさん来られており、成年後見や死後の処理などにとても関心が高かったです。これを機会に有料老人ホーム協会とはいろんな提携ができればいいと思います。
○ 10/6~7 日弁連 人権大会@福井
3つの決議・宣言案が議論の上で採択 加藤高志実行委員長の奮闘
ご存じのとおり、憲法と死刑廃止と法教育で充実したシンポがなされました。
私は法教育シンポがとても面白く、子どもたちがしっかりと情報を処理して自分の考えをまとめ、根拠をもって説明する力を付けるということが、主権者教育としてとても大事であることが福井の高校生の実践からわかって良かったです。ぜひ大阪でも同じようなシンポをしてほしいです。
大会では死刑廃止を2020年の目標し、刑の処遇の体系も大きく変えるという提案がなされ、長い賛否の議論がありました。しかし、前日の法教育シンポでの高校生の議論とは異なり、論点がかみ合わず、被害者支援をしている弁護士のみなさんの議論が、理念的・政策的なものにはならず、感情論に終始したのが残念でした。
〇 10/13~19 法の日記念 無料相談会 約1000件の利用
法律相談を無料で実施することには、相談センターでも議論があるのですが、今年は宣伝の一環として、「弁護士会に行けば法律相談ができる」ということが恐ろしく知られていない現実を変えるべく、無料法律相談の広告としての展開に力を入れています。いつもの4日の期間を6日に拡大し、WEB広告を重視して取り組みましたところ、1ヶ月分の相談がこの6日間に集まり(その分有料相談が減ったということはありません)、しかもその8割が初めての利用、WEB申込みが5割を占めるという結果になりました。例年の二倍以上の実績になり、宣伝の工夫でこれだけ新しい層が相談を獲得できたのは成果でした。その中から受任も150件程度ありました。相談内容は、離婚相談が23%(221件)、相続が11%(108件)、労働が7%であり、離婚の相談件数がかなり増えています。
○ 10/15 スポーツ電話相談 10件の相談あり
同じ期間中に、スポーツ研究会が、全国一斉で電話相談をしました。スポーツ選手からの相談だけでなく、親御さんや部活動やクラブでのもめ事までいろんな相談がスポーツを巡ってもあるようです。一つの新しい分野になっていけばいいのです。
○ 10/23 大運動会@万博東広場
今年は職員も含め700名を超える参加があり大盛会でした。やはり屋外での競技は楽しいですね。マンマちゃんが来て、今村先生(弁護士会のマンマちゃん)とのコラボした体操も感激しました。春秋会のリレーは末代まで語り継がれるいい走りとファニーな落ちがつきましたが、それも含めて楽しい一日でした。参加した皆さまや運動会実行委員会の方々にはお疲れ様でした。
○ 10/29 憲法市民講座「国家緊急権」 約50名の参加
今回の市民講座は、すでによく議論をしてきたからでしょうか。スターヲーズですでに学習したからでしょうか、思ったほどは集まりませんでしたが、講師の詳しい経過を辿ったお話にあらためて気が付くことも多く、内容は充実したものになりました。
○ 10/29 70期修習生採用説明会
採用希望団体が昨年の34から42に増えました。弁護士事務所が30件(大阪22、他会8)、企業が11件、大学が1件です。修習生の応募件数は少し減って180名となっています。
※ 大分監視カメラ設置事件に対する会長声明(10/4)
当会は、西成監視カメラ事件や大阪ステーションビルの自動撮影差し止めなど情報問題対策委員会で、このような監視カメラとプライバシーについて蓄積をしてきたものであり、今回の事件も、令状主義という問題だけではなく、広範なプライアシー侵害となる監視カメラ設置につき、法制度の改正を求めることとしました。
2 アウトリーチ支援事業(モデル事業)の推進
13の項目で具体的な展開が次々に広まっています
法の日の新聞広告で、産経と読売にアウトリーチ特集を組み、産経には東淀川区の地域包括支援センターの支援(松嶋依子さんが登場)、読売には箕面市ひとり親家庭相談支援事業を取りあげてみました。
犯罪被害者の当番弁護士制度も発足しました。
3 11月の主な取り組み
| 11月 5日 | 憲法市民講座 第7回「現代イスラーム論」 |
| 11月11日 | 講演会「医療観察法の現状と問題点」 |
| 11月15日 | 「いい遺言の日」記念無料法律相談会 |
| 11月18日 | 裁判傍聴会『「裁判」ってなんだろう』 |
| 11月22日 | 「OSAKAビジネスフェアものづくり展2016」へのブース出展 |
| 11月24日 | 近畿財務局との初の共催シンポ 「弁護士の中小企業支援のあり方を考える」 |
| 11月25日 | 第29回近弁連人権擁護大会@京都 第1シンポ「立憲主義とは何か―市民とともに日本国憲法の明日をつくる―」 第2シンポ「持続可能なエネルギー政策への転換~未来を照らす電力システムのあり方~」 |
| 12月3日 | 大規模憲法イベント第2弾 「憲法主義! 今こそ語ろう 憲法の未来」 南野 森九州大教授、長谷川義史絵本作家、石田英司MBSコメンテーター 内山奈月さん(元AKB) |
最近の重点課題として・・・
※ 手錠・腰縄問題のPTを設置し、刑事弁護、刑事法制、選択議定書からメンバーを出していただき、意見書のまとめや次年度シンポ開催に向け取り組みをつよめる
※ 共謀罪対策PTを拡大強化して設置し、12月1日に第1回会議を開催して、今後の学習会やパレード、市民集会などの取り組みを行う
4 常議員会(10/4及び10/25)
(1) 「財産開示制度の改正等民事執行制度の強化に伴う債務者の最低生活保障のための差押禁止債権制度の見直しに関する提言(案)について」の日弁連からの照会に対する意見書提出の件
※ これは、今般予定されている民事執行法改正の法制審議会での検討に向け、差押えの実効性確保のための改正とともに、一方で、差押え禁止とすべき生活保障債権である賃金、年金等の実質的な保護のために預貯金債権の差押えを制限する方向も必要である旨の提言を日弁連がまとめることになった。これにつき、家事法制委員会のみ消極的であったが、当会としては、具体的な制度設計については差押強化の必要性とのバランスについてさらに議論とはいえ、そのような視点を法改正に踏まえることは極めて重要であることから同意見書の提出に賛成することとしました。
(2) 大阪市の『「東日本大震災に伴う市営住宅活用実施要綱」及び「東日本大震災に伴う市営住宅付帯駐車場活用実施要綱」の一部改正について(案)』に関する意見公募(パブリックコメント)に対する意見書提出の件
※ 大阪市の市営住宅に、3.11以降避難してきた方々の無償提供をしてきたが、今般、その範囲を被災三県の要請のあった地域に限定するとする実施要綱についての意見公募がありましたが、被災三県の縮小に伴い縮小するというものになっており問題であり、当会では、先般より、大阪府内に避難を継続している方々については原発事故の放射能被害への不安から帰れない事情に配慮して、より恒久的な住宅保障を自治体独自の施策として実施すべきであることを要望書として提出しているため、同趣旨の内容で意見公募にも回答しました。
(3) 日弁連からの「依頼者保護制度に関する規程案修正案の検討について(依頼)」に対する回答の件
※ 常議員会で4回の期日を使って、十分な質疑と議論の経過を踏まえて結論を出しました。執行部提案は、引き続き総合的な不祥事防止と預かり金規程の強化をすることを前提とし、その第一歩として、今回の預かり金口座の届出義務の強化と、依頼者保護給付金についても、上限の設定や会員の懲戒処分との調整など具体的な制度設計については更なる検討が必要であるものの様々な不祥事対応策の一つとして第一歩を踏み出すものとしては評価できることから賛成するという内容で構成されており、これに出席常議員の7割程度の賛同をいただきました。いずれにしても引き続き議論が大切な課題です。
(4) 23条照会審査室の設置に関する件
※ 理事者のあり方検討プロジェクトチームでも検討され、年々増加の一途をたどり、29000件/年間を超える件数の照会について、従来の嘱託弁護士と副会長によるダブルチェック体制ではなく、より安定性、専門性をもった審査体制に移行すべく、23条照会審査室を設置することについて、嘱託への報酬支払の点を含めて議論がなされて、これを設置することを12月の臨時総会に提案することが承認されました。
順調にいけば、次年度4月から新しい審査体制に移行することとなります。
(5) 贖罪寄付の財務委員会議決を省略する会則改正の件
※ これまで会則では、当会への寄付については、図書を除き財務委員会の議を経て会長が受け入れを決めることになっていた。しかし贖罪寄付についてはその趣旨から迅速性が求められること、財務委員会の議を待つには1ヶ月以上待つことから、会財政への不当な影響への懸念がないこと等からこれを見直し、贖罪寄付については財務委員会の議を必要としない旨への会則の改正をはかることとした。なお、一般寄付についても年間100万円未満の少額の場合には、年度当初の財務委員会の包括承認等により迅速で柔軟な運用の改善をはかることとした。
5 現在執行部で検討中の主な課題
○ 外国事務弁護士職務基本規程改定の意見照会への対応
○ 日弁連会長選挙規定の改正の意見照会への対応
〇 日弁連総会の定足数を定める件の意見照会への対応
○ 日弁連国家緊急権創設反対の意見書への意見照会への対応
○ 専門弁護士認定制度実現PTの始動
〇 LAC規定の創設の検討とこれに伴う各推薦名簿の規制のあり方
〇 若手支援策の評価と改善
○ 弁護士不祥事等への対応のための大阪弁護士会における検討態勢
以上