7会派合同研修企画 「依存症ってどんな病気?」の感想
春秋会の皆さま
お世話になります。研修委員の西川です。
昨日の17時から7会派の合同研修企画である「依存症ってどんな病気?」が開催されました。

今までの受けた研修の中で、最も濃厚な2時間でした。あっという間の2時間でした。
講師を務めていただいた医師の松本俊彦先生は、とてもユーモアのセンスのある方でした。松本先生の話を聞いて、講演中に参加者から度々笑い声が上がっていました。
依存症の中にはアルコール依存症も当然含まれているのですが、松本先生が「参加している人の中には、今日もアルコールをキメてやろうと考えている人も多いはずだ」と言っていたのが、個人的にツボでした(まさに、私はキメてやろうと思っていたので)。
講演は、松本先生が中心となって進めている「SMARPP(スマープ)」という覚せい剤などの薬物依存症の再発防止プログラムの内容や取り組みの内容をお話しいただきました。SMARPPの説明については、ウィキペディアに記載がありますので、興味のある方は是非とも確認してみてください。
講演の中で、薬物が依頼に通院している人のうちどの程度の人が通院を継続しているのかという統計を取ったところ、3カ後には7割の人が通院を中止しているとのことでした。通院を継続している3割の人のうち、96%の人が3カ月間薬物を完全に断っているとのことでした。
私は、通院をしている3割の人が薬物を辞めれて凄いなんて、単純に思いました。
しかし、松本先生の意見は、次のとおりでした。
「3割の人は薬物を辞められてそのことを医者に自慢したいと思って通院を続けている。しかし、7割の人は、薬物を再使用してしまって通院を中止している。7割の人は、再度、薬物を使ったことを医者に言うことが恥ずかしかったり、医者から怒られると思ったり、警察に通報されると思ったり、いろいろな理由で通院が出来なくなる。このような7割の人にこそ治療が必要である。その7割の人を治療するには、薬物を再使用してしまっても安心して続けられる治療プログラムが必要である(安心して薬物を使えるプログラムとも表現していました)。」
依存症とは、「物質にしか依存できない病気」であり、「安心して人に依存できない病気」である。そのような依存症の人の医療を行う為には、人との「つながり」が最も大切である。
特に薬物依存の人は、過去のトラウマや孤独等、何かを満たしたくて薬物に依存していることが多い。そのため、薬物が何を与えてくれたのか(何が満たされたのか)を確認し、その薬物に代わるものを与えなければならない。そして、その薬物の代わりになるものは人との「つながり」である。
以上のような、松本先生との話を聞いて、薬物事案の弁護をする際に、弁護人が単に本人の反省を促すだけでは、依存症の改善には繋がらないということを学びました。仕事上、薬物依存症の人と接する機会のある弁護人としても、治療機関やダルク等への「つながり」を作ることも大切な活動であると感じました。

松本先生の話の全てをここで説明することは出来ませんが、とても勉強になるお話ばかりでした。
今回は、残念ながら参加できなかった方も、昨日の講演は録音をしているので、eランニング研修で松本先生のお話を聞いてみてはいかがでしょうか。