2014年度春秋会執行部の会務方針スローガン

本年度スローガン
「ひきつづき,ほっとひといき,春秋会」

役員からのご挨拶

ご挨拶

やりたかったこと・やらなければいけないこと

石田 法子

1.やりたかったこと

皆様のご支援を得て、本年4月1日から平成26年度大阪弁護士会会長に就任いたします。大阪の会長は同時に日本弁護士連合会の副会長を兼務するので、ざっくりと言うと平日2日は大阪、3日は東京という、時間的にも体力的にもハードな生活が始まります。

さて、組織の長たる人間には、強いリーダシップと人に希望を与える明るさをもち人の真ん中にいる人間的魅力が必要だと言われています。しかしながら、私はどちらかというと、端っこで一人こつこつ黙って仕事をするほうが好きな職人タイプなので、およそ会長として適任ではありません。

それにもかかわらず、3.4年前から会長を目指したのには二つの思いからでした。

一つは、まさに大阪弁護士会の男女共同参画の推進の実行でした。私の38年の弁護士生活は女性の権利という言葉が常に頭にありました。しかし、自分が所属する大阪弁護士会に目を向けると、女性会員の数はまだまだ少なく(今では700名を超えましたがそれでも17%です)、委員会委員長を初め、意思決定機関にいる女性は少数でした。人権の擁護、社会正義の実現を標榜する弁護士会がこれで良いのかという思いはずっとあり、大弁副会長、司法修習委員会委員長、法律相談センター運営委員会委員長、日弁連常務理事等々、機会をいただく場面があれば、多少自分の能力を超えていても前向きにチャレンジしてきました。そうすることで、女性がその立場にいることが当然という空気が生まれ、チャレンジする女性が増えることを期待したからです。幸い、近年は、委員会の副委員長、委員長にも女性が増え、会派執行部にも女性が入り、女性副会長経験者も6人となりました。 しかしまだ女性の会長はいない、さすが会長職へのチャレンジは大変で、私には、冒頭に述べた適性、能力、経済力、年齢のいずれの点からも負担の大きいものでした。しかし、自分がそれに近い立場に今ある以上、ここで手を上げなければ女性会長の実現は何年後だろうと思うと、マイナス因子をあれこれ考えることをやめて、エイッと手を上げるに至りました。平成26年度の政策として男女共同参画を更に推進していきます。

もう一つは、日弁連の会務の運営、執行の中心に、人権擁護の理念を置き、その立場からの発言が必要だという思いでした。日弁連はここ十数年、司法改革の奔流に飛び込み、これを中心に回ってきました。日弁連の人権擁護委員会委員長を経験している中で、人権活動が求心力を失い、敬して遠ざけられるかのような雰囲気に寂しい思いをしました。幸いにして、平成26年度の日弁連での私の主な担当委員会は、人権擁護委員会、両性の平等委員会、いずれも私のフィールドです。また、貧困問題対策本部、この問題の直接の経験はありませんが、方向性は共通し、現在の社会の閉塞状況を打破する重要な問題ですので、上記の私の思いを実現する場は与えられました。

市民の権利を守る人権関連委員会が表看板となるよう、日弁連の人権活動の活性化に向けて最善を尽くしていきます。

2.やらなければいけないこと

以上の二つの思いから手を上げた後、いろんな方の話を伺う機会を数多く持ちました。その中で、これから会長としてやっていかなければならないこと、やりたいことが山のように積み上がりました。

即独、ノキ弁というOJTの機会の少ない若手の窮状には胸が痛みました。未来に夢を持てない若手の不安感は大きく、中堅、ベテランも私も含めて先行きに不安を抱えています。

その不安からか、メンタルダウンする会員が増えています。また、不祥事が増え、市民の弁護士・弁護士会への信頼が大きく揺らいでいます。弁護士会への求心力が低下し、弁護士自治も揺らぎ始めています。さらに、法曹を目指す有為の若者の減少で司法界に人材が集まらず司法そのものが弱体化する恐れすら見えてきました。

このままでは、市民に対して安心して信頼していただける十分な法的サポートの提供、市民の権利の実現が困難となり、人権の最後の砦としての司法の役割が損なわれます。

市民から信頼される弁護士・弁護士会・司法でありたい。
弁護士・弁護士会に明るい未来を取り戻したい。

さて、そのためにどうすれば良いのか。難問山積、この言葉を文字通りに実感する毎日です。しかし、山積みの問題に押しつぶされているわけにはいきません。

社会には、悩んでいる人、苦しんでいる人がたくさんいます。社会から孤立し自力でその問題の解決ができない人もたくさんいます。弁護士の力を必要とする人がたくさんいます。弁護士会は、そんな人たちに向けて、「あなたを一人にしない、私たちに相談して下さい」というメッセージを発信し続けます。そして、相談に来ていただいた方に、最上の法的サポートを提供することができる体制を整えて、「社会の隅々」にまで光を届けられる弁護士会でありたいと思います。

そのためには、「若手支援」は欠かせません。今、当会の会員の4割強は登録10年までの若手で、少子超高齢社会の日本の中にあって、若い活力を内包する組織です。大阪弁護士会は、これまでも積極的に「若手支援」に取り組んできましたが、平成26年度は、当事者である若手を巻き込んで、ニーズに沿った「若手支援」を共に考え、さらに一層これを推し進めて行きたいと考えています。

更に、今弁護士会が抱えている問題の多くの原因は、市場ニーズを無視した法曹人口の激増に行き着きます。日弁連の問題としては、法曹人口を見直して、早期に1500人への減員が喫緊の課題です。現状の増加が続けば、本来は市民が利用しやすい司法のために行った改革が、逆に市民に良質な法的サービスを提供することを阻害する結果となります。このままではいけないというのは大方の認識であろうと思います。

とはいえ、法曹人口の決定権がもはや法曹三者にない今、その実現は簡単なものではありません。現在、法曹養成制度改革推進室・顧問会議で法曹人口問題等が議論されていますが、具体的な減員まで、今もまだ一進一退の議論状況で、多方向からの粘り強いたゆまぬ折衝等が必要です。この会報が出る頃には、自民・公明各党司法制度調査会から具体的な法曹人口を含めた法曹養成の意見書が出されると聞いています。また、推進室からも何らかの意見が出されるでしょう。改善への大きな一歩が踏み出されることを期待すると共に、それが十分なものでなければ、一層の改善を求める動きを続けていく必要があります。蛇口をひねらないと根本的な解決には向かいません。

私はこの問題に関する日弁連の委員会の担当ではありませんが、執行部の一員として、皆様のご意見を十分にお聞きし、現実を見据えながらも、この問題に対処していきたいと考えています。法曹人口問題だけでなく、その他の法曹養成の問題、刑事司法改革、民事司法改革、弁護士自治の問題と日弁連にも難問が山積しています。更に、司法の世界だけでなく、憲法改正の動き、悪法の最たるものである秘密保全法の制定等々平和が脅かされようとしています。弁護士会は法律家としてその問題点を広く社会に情報提供する責務があります。

当選が確定してから、多くの方から「おめでとう、がんばって」の言葉と激励をいただきました。そしてその後には、「しかし、大変な時代に会長になったねえ。健康だけには気をつけて」という言葉が続きます。本当にその通りだと思いますが、この激励を糧に、「大変な時代」に、会長職を務めることの意味をしっかり見つめて、次の世代に夢と希望のある社会を渡せるよう、微力ながら会務に取り組んでいきます。

ご支援とご協力、それだけでなく遠慮のない叱咤激励も併せてよろしくお願いします。

内心では、『無理せんと自分なりの自然体で行くしかないけど、どうせしんどいことをやるんなら、そのしんどさを楽しまな損やなぁ。自分が楽しんでたら、健康も後からついてくるやろ。』としぶとく居直っていきます。

ご挨拶

― 石田会長の補佐役として ー

森下 弘 (33期)

1 私の副会長としての抱負については、選挙公報や弁護士会の月報などで紹介をさせていただいておりますので、ここでは、私の同志や友というべき春秋会の会員の皆様方へのフレンドリーな内容で、ご挨拶をさせていただくことといたします。

2 他の副会長予定者の方々が40期台であるのに、私のようなロートルが今さら副会長になろうとするのは、時機遅れだとは思います。ことに、私は齢60歳(数え年)を迎え、一昔前では赤い甚平さん(ちゃんちゃんこ)を来て還暦の祝いをしてもらうべき年齢に達しています。しかし、大阪弁護士会初の女性会長となられる石田法子さんを支えるために、あえて副会長の職を受けることといたしました。

3 副会長としての抱負の主なものは、①男女共同参画社会を実現すること、②若手会員の支援をすること、③弁護士の規律を確保することと、それを防止するための会員への支援を行なうことなどです。また、私自身、刑事関連の委員会への所属歴が長く、法制審議会で審議をされている「新時代の刑事司法制度」についての問題についても担当副会長(予定)として取り組んで行く所存です。

4 ところで、私は、播州赤穂(浅野内匠頭)5万3千石の領地内の出身で、元禄15年12月14日に吉良上野介の屋敷に討ち入った赤穂浪士の首魁である大石内蔵助は、赤穂藩の国家老で、国元を守る役職だったこともあって、日弁連副会長として週の半分は上京される石田会長の留守を預かり、石田さんが中央で後顧の憂いなく活躍できるよう、粉骨砕身の努力を重ねる覚悟です。

5 実のところ、私と石田さんとの関係は、石田さんが青年法律家協会大阪支部の議長のときに、私が事務局長としてコンビを組んでおりました。この時期は、昭和64年(平成元年)で、天皇の崩御に伴った「大嘗祭」などが問題とされました。その意味では、憲法問題が取り上げられた時期だったのです。
いま、安倍政権のもとで、憲法改正が正面から論議されるようになり、再び憲法問題が愁眉の急となっており、巡り合わせの不可思議さを感じています。

6 しかし、どうも私は、思ったことを正直に言いすぎて、公正さや衡平を保つことが不得手ですので、舌禍事件を起こしかねません。ですから、そのようなことのないように自制に自省を重ねるつもりですが、会員諸氏におかれましても、私の行き過ぎの点や、逆に自制のしすぎによるアグレッシブの喪失につき、忌憚のないご意見やご指導をいただきたく、よろしくお願いを申し上げる次第です。