研修 「著作権紛争入門」

研修委員会は,平成20年2月26日,北本修二先生を講師にお招きし,「著作権紛争入門」研修を開催いたしました。
参加者募集の告知直後から多数の応募をいただき,あっという間に定員オーバーとなった今回の研修。私も北本先生のお話が伺えるのを大変楽しみにしておりました。
講義の冒頭,北本先生は著作権法の概要及び著作権法特有の用語・定義について説明され,私のような初学者でも迷わず歩けるよう地ならしをして下さいました。
会場のエンジンがかかりだしたところで,著作権法の条文解釈を巡る裁判例の歴史について説明していただきましたが,権利者団体の代理人として数多くの事案を手がけられたという豊富な経験に裏打ちされたお話は非常に明快なものでした。

 カラオケひとつ取ってみても,レコード,テープ,レーザーディスク,通信式と技術革新が起こる度に新たな論点,新たな解釈が生じてくるというお話を聞き,著作権法が私たちの社会のありように応じて形を変える,非常に有機的な法律であることがわかりました。
また,お話はカラオケリース事業者の責任を問うた事件など,先生の実際の経験談にも及び,先例のない領域で戦うということの苦労の一端を教えていただくことができました。
先例のない主張を組み立てるにはどうしたらいいのか,という点は著作権法の分野に限らず,私たちが是非とも知りたいと思っていることではないでしょうか。
残念ながら,近道はないようです。
その方法を問われた北本先生は,先立つ判例・学説を十分に分析し,問題になる条文解釈の限界を探ることだとおっしゃいました。一見当然のことながら,果たして自分が当然にできているのかとあらためて考えさせられました。

講義が終わった後,先生とお話させていただいた際,情報化社会においてはますます,著作権が重要かつ身近なものになってくる,ということを伺いました。確かに,ネットの普及に伴い,自分の著作物を世に広めることは飛躍的に容易になっています。この先,思いも寄らないところで事件に出会うのかもしれないと考えると,先生のお話で心の準備をさせていただけたことがますますありがたく思えました。