現在、法科大学院(ロースクール)は、74校5800名の学生が学び、非常勤講師を含む600名の弁護士が教員として参加していると言います。10月4日に開かれた「春秋の日」は、「動き始めたLawSchoolその現状と課題,展望・・・」と題して、ロースクール教員として活躍中の豊川義明(関西学院)、秋田仁志(立命館)、坂本団(関西)の各会員から報告を受け、ロースクールの実情を報告してもらいました。
司法研修所に代わる,より実践的な法曹養成の場として期待されたロースクールですが,現実には「実務より理論」という傾向が強く、特に国立大学ではその傾向が強いと言います。新司法試験のプレテスト(模擬試験)でも、公法分野に限っても、200くらいの判例を丸暗記しないといけないようなもので、新司法試験そのものが大きな問題を抱えているといい、教員としても、学生の採点をどうするのかという大きな悩みを抱えているということです。
また、公式のカリキュラムとは違って実質的には司法試験対策のような講義もあるらしいのですが、ロースクール生の抱える新試験に対する不安からすると、それも仕方がないかということです。現在の状況は過渡的なものかも分かりませんが、本来期待された在り方からすれば,学生が試験対策をしなくてもいいように、合格率を7~8割に引き上げないとロースクールが目指したものは実現できないのではないかという指摘がありましたが、まさにそのとおりだと思いました(「司法改革」が何を求めたのかについては、議論あるところですが)。
今回、参加して感じたのは、春秋会からロースクールに教員として参加している皆さんが、自分たちの後継者、とりわけ人権活動をしていく後継者に育っていってほしいと真剣に考えて参加していることです。そこに春秋会らしさを感じました。ロースクールの教官が,皆、春秋の会員のような情熱と問題意識を持っておれば、そこでの教育はすばらしいものになると思いますが、残念ながら、現実は理想にはほど遠いようです。
しかし、「元々,ロースクールは『合格者3000人ありき』が前提となって出来上がった制度で、様々な問題を抱えているのは分かり切ったことだが、出来たものは仕方がない、幸いロースクール生はいい人材がそろっている、この人たちにリーガルマインドを受け継いでもらうために春秋会としてもエクスターンシップなどに積極的に関与していく必要がある」という森下弘会員(立命館)の熱い訴えが参加者の共感を呼びましたが、そういう方向での改革の努力が必要だということを痛感させられました。
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