平成26年度 第2回 「春秋の日」  ~法整備支援の話をしよう・中国に法の支配は根づくか?~

5月29日、 第2回 春秋の日 「法整備支援の話をしよう・中国に法の支配は根づくか?」 が開催されました。
当日配布された資料はこちらからご覧いただけます。 → 配布資料 PDFファイル:655KB

以下、報告を2本掲載いたします。

白出博之 (47期) 報告

第2回春秋の日「法整備支援の話をしよう・中国に法の支配は根づくか?」に多数ご参加のうえ、当職のつたない報告に、皆さま長時間熱心に耳を傾けて下さり、かつ温かいお言葉で激励して下さり、誠にありがとうございました。

森下先生からいただいた「法整備支援によって中国で先進的な立法ができるのは良いことだが、それを当局が自分の都合よく使えば国民の自由・権利を制限・弾圧する危険な手段になってしまう。どうか、そういう面も忘れずに、中長期的な視野からの支援活動を頑張れ!」とのご指摘は、中国での活動の難しさの核心を突き、かつ当職のはやる気持ちを諫めるありがたいお言葉でした。

中国における「法」がまだまだ統治の手段的な色彩が強く、国民の権利章典として十全に機能していないのも事実であり、しかも日中関係が「72年の日中国交回復以降で最悪の状態」といわれる現状にありますが、これからの支援・交流活動を通じて、歩みは遅くとも少しずつそれらの状況を改善し、次世代での日中相互理解につなげていければと考えております。

昨年5月発表の外務省「法制度整備支援の基本戦略」(改訂版)において、中国は重点対象国からは除外されましたが、「中国については日本企業の円滑な活動と法の支配・ガバナンス確立の観点から協力を継続していく」との方針が特記されています。6月から開始される新規法整備支援プロジェクトの協力対象法令は、1年目が立法法、インターネット法、行政訴訟法、行政不服審査法、食品安全法と、法の支配・ガバナンス確立系のものが多く、2年目は、先物取引法(金融サービス関連全般も見直し)、広告法、大気汚染防止法(+水、土壌関連も)、民法総則(ないし民法典構想)と民生の保障に関連するテーマがあげられています。

当職は6月25日からの北京着任予定であり、これから3年間、3,4ヶ月に1度のペースで、中国の立法・行政担当者や最高人民法院裁判官等からなる訪日研修団を引率して日本に出張して来る機会があると思います。その際には、中央官庁や裁判所だけでなく、国民に最も近いスタンスの日弁連や大阪弁護士会の各委員会等に、法律実務の最前線の情報提供等についてご協力をお願いすると思います(現に先月末に改正法が成立した中国・環境保護法について、全人代法工委行政法室の立法担当者は、大阪のあおぞら財団で見聞きした被害者の方々の状況が最も印象深く、大阪弁護士会公害環境委員会の先生方〔村松先生、岩城先生、池田先生、赤津先生、ありがとうございました!〕による各訴訟での奮闘に感銘を受けて今回の法改正の随所に日本から学んだことを取り入れた旨をコメントされておりました)。
今後も、是非とも日本の弁護士の努力や工夫、知恵、そして教訓を中国の方々にご教示いただければ幸いです。

最後に、今回、周到細心な準備・運営にあたられた研修委員会ご担当の黒田先生、林先生に改めて御礼申し上げます。

田中智晴 (59期) 報告

5月29日(木),にしふじにおいて,「法整備支援の話をしよう・中国に法の支配は根づくか?」とのテーマで,白出博之会員(47期)から,中国におけるJICA(国際協力機構)の法整備支援事業に関するお話をお伺いしました。

皆様ご存じのとおり,白出会員は,平成23年から平成25年までJICAの法整備支援事業で中国に赴任され,また,今年6月25日から,再度,3年間の予定で,中国に赴任されます。

白出会員からは,そもそも法整備支援事業とはどういったものかという概論から,中国における法整備支援事業について,中国の特殊性等を踏まえたお話をしていただき,さらに,現在の中国の紛争処理制度の実情,今後の立法の展望までお話いただきました。

白出会員の中国の法整備支援事業にかける情熱・使命感がこもった貴重なお話をお伺いすることができ,出席者は,皆,刺激を受け,あっという間に時間が過ぎました。

大変有意義かつ楽しい講演会・食事会でした。白出会員有り難うございました。
最後に,白出会員の中国での益々のご活躍を心より祈念申し上げます。