阪神タイガース応援ツアー

5月27日午後5時。早々に仕事を終わらせて、事務所を颯爽と抜け出した。すべては、阪神タイガースの勝利のために。

 甲子園は、平日にもかかわらず、阪神の勝利を願うファンで埋め尽くされていた。対する西武ファンといえば、三塁側アルプスの一角に、わずかに青と白のユニフォームの一団が陣取っている程度である。
チケットを見ながら指定席に近づくと、試合開始前にもかかわらず、小野昌史先生をはじめ阪神ファンの鏡ともいうべき先生方が応援グッズとビールを片手にスタンドの一角に陣取っていた。

私が球場に到着したときには、すでに先発投手の名前はスコアボードに挙がっていた。阪神の先発は新加入のフォッサム投手。彼は、メジャー通算40勝の実績を持つ、緩急で勝負するタイプの左腕である(YAHOOスポーツ参照)。対する西武の先発は、エース涌井投手。今年の成績からするとまだ調子が上がっていないようにも思われるが、昨年の沢村賞投手であり、すばらしい投手であることに間違いはない。

そうこうしているうちに1回表が始まった。相手の先発が涌井投手である以上、そう簡単に大量得点は望めない…等と考えているうちに、西武の1番片岡選手がクリーンヒット&盗塁を決め、1アウト2塁で3番中島選手を迎えた。中島選手と言えば、昨年のWBCでも活躍した西武の若き主砲である。「打たないでくれ」という阪神ファンの切なる願いもむなしく、あっさりレフトへタイムリーヒットを放ち、西武が先制点を挙げた。その後もピンチは続き、結局西武に初回2点を取られてしまった。
かたや、西武の涌井投手は、1回裏の阪神の攻撃を3者凡退にしとめ、意気揚々とベンチに下がっていく。なお、涌井投手は前の試合で固め打ちをしたのか、試合開始時点の打率は驚異の7割5分!! 阪神を応援しながらも、パリーグでは普段見せることのない彼のバッティングに、少し期待をしてしまった。
早くもワンサイドゲームになりそうな雰囲気の中で、2回裏にブラゼル選手が目の覚めるような一発をライトスタンドにたたき込んだ。これには、阪神ファンも大喜びで、応援のボルテージは一挙に爆発した。
私たちの右隣の一角には、修学旅行らしき小学生の一団が一生懸命応援しており、私たちの後ろの席は、仕事帰りのおじさんたちから怒号のような応援(ヤジ?)が飛んでいた。

ここから、7回までは一進一退の攻防が続いた。お互いに得点圏にランナーを進めながら、両チームが挙げた得点は、西武が4回表にスクイズで挙げた1点のみであった。7回終了時点で1対3、西武が2点をリードしていた。
8回表、阪神のマウンドには3人目の江草投手。余談になるが、江草投手は阪神の中でも私の好きな選手の一人である。いわゆるJFK(ウィリアムズ投手・藤川投手・久保田投手)のように脚光を浴びていたわけではないが、厳しい場面でマウンドに上がり、先発からJFKにつなぐまでのイニングを黙々と投げ続ける姿が何ともいえないかっこよさを感じるのである。
この回はいきなり先頭打者にファーボールを与えたものの、次の打者を三振にとり、さらに盗塁を試みたランナーに対して、今年から阪神に加わった城島選手が2塁に矢のような送球を見せダブルプレー!!そのまま8回表の相手の攻撃をシャットアウトし、いい流れで裏の味方の攻撃につなげた。

運命の8回裏…。先頭バッターとして代打の切り札桧山選手がコールされるも、涌井投手の前に三振にとられワンアウト。球場からはあきらめに似たため息が漏れる。しかし、さすがの涌井投手も疲れが出て来たのか、続く平野選手、代打金本選手、マートン選手に対して3連続四球を与えてしまう。終盤の8回裏、2点のビハインドという状況でワンアウト満塁、しかも続くバッターは阪神の4番新井選手である。今日の試合一番の山場を迎え、阪神ファンのボルテージは最高潮に高まった。球場全体が声をからして新井選手の背中を押す。
そして、涌井投手が投じた渾身の変化球を新井選手の力強いスイングが捕らえ、打球は三遊間に…しかし、無情にも打球はショート正面に飛んでいった。球状全体からの祈るような視線にもかかわらず、ボールはセカンドからファーストに送られ、6-4-3のダブルプレーが成立し、スリーアウトチェンジ。

9回表、絶好のチャンスを逃した阪神は明らかに動揺しており、西武に3点も追加点を挙げられてしまった。そして、9回裏の阪神の攻撃はあっさりと終わってしまい、1-6で完敗した。

 今回の試合は残念な結果に終わってしまったが、みんなで声をからして応援し、選手たちのワンプレーごとに喜んだり残念がったりしたのはとても気持ちよかった。  このような貴重な機会を設けてくださったことに感謝するとともに、ぜひまた参加させて頂きたいと思う。