1 プロローグ-リベンジへの決意と準備平成20年2月9日から12日の3泊4日、今年も恒例の春秋会スキーが参加者10名の少数精鋭にて行われた。私がその報告を書き始めるにあたっては、昨年の春秋会スキー旅行(雫石)にまで遡らなければならない。私には全くスキーの経験がなく、春秋会スキー旅行が生涯1回目のスキーで、スポーツ万能の春秋会らしく、参加者のほとんどがスキー上級者だったから、無謀な挑戦のようにも思われたが、三上孝孜先生をはじめ、どの先生方も教え方がうまく、たとえスキーの経験がなくても、すぐにある程度は滑れるようになっていった。調子に乗った私は、スキー2日目にして、どんなコースでも滑れるのではないかと誤解し、兄弁の白倉典武弁護士の悪魔のささやきもあり、上級者コース「熊落とし」へと入っていった。しかしそのコースは斜面が急な上に狭いため、私は危うく崖から「熊落」ちしそうになってしまった。幸いにして、平尾宏紀先生に命を救われたが、その後、今回のスキー旅行までの間は、臥薪嘗胆の1年となり、リベンジに向けて努力を続けた。具体的には、WiiFitを購入してスキーゲームをスキー旅行10日前から毎日就寝前に行い、イメージトレーニングを重ね、万全の準備を整えてニセコに向かった。
2 1日目-初心者歓迎!ニセコのパウダースノー
2月9日の朝、吹雪になり出した大阪を後にして向かったニセコは快晴、絶好のコンディションだった。スキー場に到着すると、早速、トレーニングの成果を発揮すべくコースへ。しかし、すぐに問題に直面する・・・あれ?曲がるときの体重のかけ方がゲームと逆だ! それでもやはり、雪質No.1とされる(らしい)ニセコ。さらさらの「パウダースノー」が、間違ったトレーニングを続けてきた私のような初心者以下のスキーヤーにも、ちゃんと滑れているとの自信を付けさせてくれる。夜は、スキーはしない組の今村峰夫先生を中心に、北海道の海産物と北海道特産しそ焼酎をものすごい勢いで平らげ、明日への英気を養った。
3 2日目-素晴らしい天気!
朝、やや二日酔い気味で目を覚ますと、これまた素晴らしい天気。蝦夷富士と言われる羊蹄山が我々を圧倒し、眼下には雄大な北海道の大地がどこまでも広がっていた。
午前中、平野惠稔先生の息子さんとスキースクールで修行し、午後からはいよいよ三上先生の特別レッスンが開始された。私の進歩はおぼつかなかったが、平野先生の息子さんはめきめきと上達し、今回初めてのスキーとはとても思えないレベルになった。ホテルに戻ってきてからは、ジンギスカンを食しながら、「父は娘とよりよい関係を築くにはどのようにすべきなのか」という深刻なテーマを議論し、答えの出ないまま、夜は更けていくのであった。
4 3日目-天候悪化、遭難の危機!そして・・・
雲が出てきたが、午前中は問題のない天気。今回初めてのはずの平野先生がますます上達し、中級コースもすいすいと滑っていたのをはじめ、メンバー全員、絶好調にスキーを楽しんでいた。途中、ゲレンデを横断する北キツネの親子(推定)とも遭遇し、やはり北海道はいいなと思えるひとときだった。ところがである。山の天気は変わりやすい。午後、リフトで山を上がるにつれ、吹雪がひどくなり、リフト降り場では、わずか数メートル先も見通せない状態だった。いわゆるホワイトアウト状態。周りが全て真っ白で自分が上を向いているのか、下を向いているのかさえ分からない。それでも、その場で留まっているわけにもいかない。三上先生の先導で、下りていくこととなったが、ここではぐれたら遭難する。折しもこの何日か前にスノボーの大学生が遭難したというニュースが流れていたばかりだった。「大阪の弁護士ら、ニセコで遭難」では洒落にならない。切迫した危機感をもち、2メートル先の三上先生を必死の思いで追いかけていく。その結果、いつの間にか、壁のような斜面を無事下りてこられた。人間というもの、必死になれば何とかなるということだ。そしてその中で、越えるべきハードルを越え、何かを掴んだ(気がする)。同じころ、スノボーで別行動を取っていた野村克則先生も、娘さんと一緒に遭難の危機を迎えていた。先生によると、ボードで風雪を避け、娘さんを守りながら、下山してきたと言うことであった。一方、娘さんによると、「1人だったら全然大丈夫だったけど、お父さんを放っていく訳にもいかなかったから・・・」とのことであり、必ずしも認識は一致しない。
5 4日目-リベンジの達成
早朝まで雪は降り続け天気が心配されたが、朝9時ころには天気も回復し、最終日も時間まで北海道を満喫することになった。上級者の三上先生、平尾先生、白倉弁護士に、10年ぶりスキーの平野先生が続き、やや腰が引き気味の私が追いかける展開。そんな私でも、林の間を楽しんで滑る余裕が生まれ、ああ、スキーに来て良かったなぁなどと思っていた。こうして無事、今回のスキー旅行は終了するかのように思われた。
しかしそこは春秋会、甘くない。三上先生から「じゃあ、一番上行こう。」の一言。一番上・・・それは最大斜度36度の上級者コース、その名も「ダイナミックコース」。最後の試練が与えられたのだ。リフトから降りる。前日ほどではないが、ガスが出ていて視界は悪い。さらに斜度36度。下にあるはずの斜面が見えない。しかし、ここで怖じけていたら春秋会メンバーの名が廃る。心を決めて、一歩を踏み出した。
・・・数分後。コースのゴールに立っていた。昨年と異なり、命の危険にさらされることもなかった。リベンジ達成の時だ。ここ何年も味わったことのないような達成感だった。
6 エピローグ-来年の春秋会スキーへのお誘い
ここ何年か、春秋会スキーは、スキー上級者の先生方の参加が中心で、私のような初心者の参加があまりなかったとのことです。しかし、この文章を最後まで読んでいただいた方なら、むしろ初心者の方こそ楽しめ、参加する意義があることがおわかりいただけたのではないかと思います。それに、上級者の先生方のかっこいい滑りと、普段では見られない景色のすばらしさといったら・・・。みなさん、来年のスキー旅行へぜひご参加を。春秋会スキーでしかスキーをしない私も、来年に向けてイメージトレーニングを開始し、さらなる飛躍を目指すことにします。
以上