1 企画の趣旨「プロに教わる神戸南京町秘伝の味」企画、通称「チャイニーズクッキング」企画の担当宇賀神です。2007年12月1日、神戸南京町にて、同企画が実施されましたのでご報告します。当初、この企画は、春秋会員の奥様やご家族が本場中国の味を教わり、その味をご家庭で再現頂くことによって、食卓から家庭の安寧を作り出そうという趣旨で発案されたものでした。ところが、その企画を聞かれた女性親睦会員から、「これは、春秋会員(多くは男性)がとんでもなく美味しい中華料理を覚えて、奥さんや彼女をびっくりさせるという企画でしょうか」というご指摘を受けました。企画担当者には想定外のご指摘でしたが、料理は家内の者がするものという、前近代的な固定観念に縛られていた企画担当者は、冷や汗を流し、改悛の上で女性親睦会員の意見を容れたのでした。かくして当企画は、普段料理をする人ばかりでなく、普段は料理しない人、食べるだけの人も、美味しい料理を覚え、家族を驚かせるという企画で実施されました。
参加者は、料理体験11人(内男性3人)、試食のみ1人、子ども3人の総勢15人でした。試食の1人とは司会役であった私であり、私以外の大人全員が料理に挑戦しました。その意味では、普段料理を作らない人が料理を体験したことになり、企画の趣旨が生かされたと思います。ところが、司会役を拝命していた私は交通渋滞で遅刻し、その任を果たすことができませんでした。ここでも反省しています。司会として役立たずであった私は、皆さんが料理をされている最中、子ども3人のお相手に徹し、ひたすら子どもたちと遊んでおりました。なお、この企画は、会員である麦先生のご親戚が、南京町で料理教室をされていたことから実現できました。先生お一人と助手さんお二人にお教えいただきました。麦先生には、色々お骨折りいただき、この場を借りて御礼申し上げます。また、麦先生は前日夜に上海出張から帰ってこられたばかりというのにご参加いただきました。しかもマイ包丁持参です。重ねて御礼申し上げます。
2 実施内容
料理教室の実施場所は、神戸南京町にある廣記商行というお店です。廣記商行は南京町の中心部にあり、中国をはじめとするアジアの食材を販売する有名なお店ですが、その2階が料理教室になっており、中華料理の奥義を会得するにはうってつけの場所です。会費は食材費3,000円です。そして、今回挑戦した料理は「大根もち」「棒湯葉、厚揚げと三枚バラの煮込み」「アサリのカレー風味」の3品でした。料理とレシピは次のとおりです。
① 大根もち (「羅葡糕」と書きます。読めません。)書いて字の如く、大根から作ったお餅のようなものです。想像できないでしょうが、あの固い大根がお餅のように柔らかくなります。レシピと作り方は次のとおりです。<材料>大根…1本 再来粉…200g コーンスターチ…100g 腸詰め…1本干しえび…30g 干し椎茸(戻した物)…30g<調味料A>砂糖…小さじ1g 塩…小さじ1 水…200cc<調味料B>塩、胡椒、旨味調味料、酒…各適量<調味料C>干しえび、干し椎茸の戻し汁…250g<作り方>1 大根はスライサーで細切りにして調味料Aを加え、煮て冷ましておく。2 干しえび、椎茸は水で戻し、腸詰めとともに小さく切っておく。3 熱した鍋に油を入れ、材料をすべて炒め合わせて調味料Bを加え、冷ましておく。4 1の鍋に再来粉、コーンスターチを加えよく混ぜ合わせ、調味料Cを加えた中に、2の材料を加えて更に混ぜ合わせ、最後にもう一度味を調える。5 型に油を塗って4を流し入れ、蒸し器で約1時間蒸す。6 あら熱を取ってから炒り胡麻を振り、よく冷ましておく。 以上のとおり、大根もちは蒸して作りますが、実際に食べるのは、1日、冷ました次の日に焼いて食べます。ですから、企画当日に作った大根もちは各自が持ち帰り、この日は前日に先生が作って下さっていた大根もちを試食させていただきました。食べ方は大根もちの固まりを切り餅くらいの大きさに切り、焼いてお醤油をつけて食べます。形といい、色といい、お餅そっくりなのですが、お味は大根です。中国(特に南部)では、お正月の必需品だそうです。大根からお餅を作るというのは、ほとんどの参加者にとって初体験だったと思われます。
② 棒湯葉、厚揚げと三枚バラの煮込み(「枝竹豆腐炆火腩」です。同じく読めません。)その名のとおり、棒状の湯葉と厚揚げを豚バラ肉と炒めて煮込むという料理です。棒状の湯葉という珍しい食材を使った料理ですが、基本的には家庭的な料理です。<材料>三枚バラ…200g 棒湯葉…1本 厚揚げ…2個 葱(3cm長)…2本にんにくスライス…2かけ しょうがスライス…1枚<調味料>生抽(中国の醤油)…大さじ1 オイスターソース…大さじ1 胡椒…少々うまみ調味料…少々 砂糖…大さじ1 塩…少々 水溶き片くり…適量水…適量 味覇(「ウェイパ」中華スープの素)…小さじ1<作り方>1 棒湯葉は水で戻し3cm長に、厚揚げは1口大に切っておく。2 三枚バラは2cm幅位に切り、沸騰した湯であく抜きをし、ザルにあげておく。3 熱した鍋に油を入れ、にんにくスライス・しょうがスライスを入れて香り出し、三枚バラを炒めた後、お酒を一振りし、棒湯葉、厚揚げと調味料を加え煮込んで、水溶き片くりとごま油を加えてお皿に盛る。最後に細かく切った葱をのせてできあがり。にんにく、生姜で香りをつけ、具材を炒めて、さらに煮込み、そこに水溶き片くりでとろみをつけるという中華料理らしい一品です。棒湯葉さえあれば家庭でもすぐに作れます。イメージは青椒肉絲(チンジャオロウスー)に近い感じです。材料の棒湯葉も調味料の味覇も廣紀商行で販売されています。ちなみに、味覇は廣紀商行のオリジナル商品です。
③ アサリのカレー風味(「咖里肉醤炒蜆」カレーであることは分かります。)アサリと豚ミンチのカレー風味の炒め物です。アサリと豚ミンチという、意外な取り合わせですが、カレー風味に包まれ、まったく違和感なくできあがりました。<材料>アサリ…300g 豚ミンチ…100g 玉ねぎ…1/2個 赤ピーマン…1個カレーペースト…大さじ1 にんにくみじん切り…1かけ<肉の下味>生抽…小さじ1 片くり…小さじ1 <調味料> 紹興酒…大さじ1 生抽…小さじ1砂糖…小さじ1 ごま油…少々<作り方>1 アサリはボイルし、身を取り出しておく。2 玉ねぎ・赤ピーマンは粒切りにしておく。3 豚ミンチは下味をつけておく。4 熱した鍋に油を入れ、にんにくみじん切りを入れて香りを出し、豚ミンチを炒めて玉ねぎ・赤ピーマン・カレーペーストを加え、炒め合わせ、お酒を一振りし、最後にアサリを加えて炒め、お皿に盛る。手早く簡単に作れます。カレー風味ですから、ご飯がすすみますし、お子さんにも喜ばれます。「棒湯葉、厚揚げと三枚バラの煮込み」と同様、家庭料理として、すぐにでもご家庭で実践できるでしょう。
3 以上の三品を午前10時30分から、約2時間かけて作りました。意外に時間がかかったように見えますが、一品ずつ先生の説明を聞いてから調理に取り掛かりますから、実際の調理時間はそれほど長くありません。調理中は皆さん真剣なのですが、何故か、ワインや紹興酒が振る舞われ、飲みながらの料理となりました。やはり、普段料理をしない人は、その様な楽しみを求めてしまうものなのでしょうか。とにかく、楽しく和気あいあいと進み、あっという間の2時間でした。子ども達も、初対面であったため当初は微妙な距離感があったのですが、2時間後にはすっかり仲良くなりました。最後は「そんなの関係ねえ」だの「オッパッピー」だので大盛り上がりでした(料理とは無関係ですがご容赦下さい。)。
今回挑戦した3品の内、「棒湯葉、厚揚げと三枚バラの煮込み」と「アサリのカレー風味」は手早くできる家庭料理であり、ご家庭ですぐにでも実践できるものでした。一方、「大根もち」はお正月料理ですし、何と言っても作った次の日に食べるのですから、手が込んでいます。今回は趣向の違った料理を体験でき、非常に充実していました。できあがった料理は全員で試食し、紹興酒を飲みながら、今日の成果を確認し合いました。飲んで食べて締めるという親睦企画らしい締めでした。 解散後は廣紀商行さんで中華食材を購入し、中華街を散策して帰りました。解散後も充実した企画でした。
以上